EARLY LANGUAGE
× BRAIN
× BRAIN
赤ちゃんは、生まれたときから世界中の言語の音を聞き分ける可能性を持っています。その能力は、生後1年のあいだに身近な言語へと最適化されていきます。
01
音を聞き分ける脳は、どう変わる?
ワシントン大学の研究では、アメリカと日本の乳児を対象に、英語の「R」と「L」にあたる音の聞き分けを調べました。生後6〜8か月では両グループに大きな差はありませんでしたが、10〜12か月になると、身近な言語環境に応じた変化が見られました。
脳は「使っている音」に合わせて、より効率よく情報を処理するようになります。
研究知見の要約(編集部)
6–8 mo
→
10–12 mo
乳児期後半に、母語の音への選択的な感度が高まる
これは「早く始めないと身につかない」という話ではありません。音の知覚と、その後の語彙・文法の学習は分けて考える必要があります。
02
鍵になるのは「生の会話」
別の実験では、乳児が中国語話者と直接交流した場合と、同じ内容を映像や音声で目隠しした場合が比べられました。音を学習したのは、生身の人とやり取りしたグループでした。
✓子どもが見ているものに言葉を添える✓反応を待ち、表情や声に返す✓教材は「会話のきっかけ」として使う
Practical
「英語を聞かせる」より、一緒に楽しむ時間を。
音だけを流しても、赤ちゃんの学習は進みにくいことが示されています。短い時間でも、目を合わせて、子どもの反応に応える方が大切です。
03
焦らず、母語の土台も大切に
第二言語の学びは、母語の発達と対立するものではありません。家庭で最も自然に、豊かに話せる言葉で対話することが、考える力や概念の土台をつくります。
NOTE この記事は一般的な情報で、個別の診断や治療に代わるものではありません。
04
参照した論文
P
Primary source
Early language experience and developmental speech perception
Developmental Science · 2019 · Patricia K. Kuhl et al.
PMID: 16473309 ↗DOI ↗
P
Primary source
Social interaction and infant phonetic learning
PNAS · 2003 · Kuhl, Tsao & Liu
PMID: 12930898 ↗DOI ↗
Dr
Written by
koara.kosodate 編集部
現役脳神経外科医。大学病院での臨床と研究のかたわら、一次論文をもとに子育て・発達の情報を届けています。
